
1月の青年部会ではメンバーへのインタビューを実施しました。
第3回は友武さんです。インタビュアーは嘉村さんにお願いしました。
終始和やかな雰囲気で進みました。
エネルギー業界から診断士試験に合格し、養成過程へ
ー 診断士になられた経緯は?
友武:40歳の時に中小企業診断士を目指し始めました。その理由としては、当時私はプロパンガスを扱うエネルギー業界に所属しており、キャリアの最後の8年間は卸売営業を担当しておりました。中小企業の皆様に営業を行っておりましたが、市場が縮小する中で目先の業務に追われている状況が目立ちました。それにも関わらず、私たちも拡販につながる営業ばかりを行っており、このままでは企業の発展にはつながらないと感じるようになりました。どうすればもっと企業を良くできるのかを考えた際に、中小企業診断士という資格に出会い、勉強を始めました。
ー それで合格されたのはいつですか?
友武:昨年度、2023年度の試験に合格しました。
ー 会社を辞められて、去年の実務補習を受けて登録されたんですね。
友武:いえ、試験合格後私は実務補習ではなく、登録養成過程に行きました。
ーえっ!?養成過程って一次試験に合格して二次試験を受けない人が行くんじゃ?
友武:二次試験に合格した後でも進むことができる養成過程があるのです。私が養成過程に進んだ理由は、企業を診断して助言を行うことに近しい経験があったものの、その本質を十分に理解できていないと感じたからです。試験に合格しただけでは、ただの“ガス屋”に過ぎないと自分自身を捉えていました。そこで、今以上に知識を深め、より効果的な支援を行うにはどうすればよいかを考えた結果、養成過程に進むことを決意しました。家族にお願いして無理を聞いてもらい、半年間東京で学ぶことを選びました。
ー 素晴らしいですね。では養成過程を経て登録されたばかり。
友武:はい、昨年11月に登録されたばかりです。
診断士活動スタート!

ー独立の診断士になられたばかりですが今はどのような活動をされていますか?
友武:東京から戻った際、娘に『お父さん、仕事は何をするの?』と聞かれましたが、その時はうまく答えることができませんでした。それで、まずは仕事を探さなければと考え、この先何をしていくべきかを改めて見つめ直しました。その過程で、自分が大きな決断をしたのだと改めて実感し、不安を感じました。それから必死に仕事を探しました。ただし、闇雲に会社を辞めたわけではなく、前職の取引先には事前に話をしており、10月から計画を進めていました。そして、ついに今週から顧問としてお伺いすることが決まりました。
しかし、それだけでは生活が成り立たないため、中小企業診断士の受験予備校での講師業にも応募し、採用していただきました。現在は作問講師を担当していますが、いずれは講義にも登壇する予定です。
ーその受験予備校はご自身が通っておられた予備校ですか?
友武:いえ、実は違いまして、採用していただいた予備校には名物教師がいらっしゃいます。その先生の解法は、フレームワークを活用して図解し、問題を分解していく方法です。このやり方が養成過程で学んだ内容と重なる部分が多く、大変感銘を受けました。そのため、この予備校に応募することを決意しました。
これからやりたい事、大切にしている思い

ーでは、これからやりたい事、どうしていきたいか教えて頂けますか。
友武:養成過程を卒業した際、一緒に学んだ友人と自分のポートフォリオについて話し合い、どのように仕事の配分をしていくかを検討しました。その結果、民間の顧問契約を全体の約半分、学習支援を1~2割、そして残りの3割を公的機関の仕事に充てたいというイメージを持って行動を始めました。現在、顧問契約と講師業は決まっているため、次は公的機関での仕事を目指しています。
ちょうど今がそのタイミングなので、応募を進めて面接を受け始めています。これがうまく決まれば、民間の顧問契約と公的機関での仕事が相互にリンクし、相乗効果を生むことで、自分にとってもさらに良い診断士活動ができるのではないかと考えています。
ーしっかり準備しておられますね。今後活動していくにあたり、大事な価値観や大切にしている思いがあれば、教えて頂けますか。
友武:はい。私はもともと営業職だったため、前に出て自分の意見を積極的に話す性分でした。しかし、これからは聞く立場に徹することが重要だと考えています。また、自分がしたいことを優先するのではなく、経営者の方々が抱いている思いや目標を実現することこそが私の仕事である、という点を忘れずに信条として活動していきたいと思っています。
ーあなたにとって「中小企業診断士」とは?
友武:私の主観ではありますが、受験予備校や養成課程の周りから聞く話を総合すると、多くの方が診断士を目指し始めた当初、勤めている会社に対する不満や反骨心を抱いていることが多いように思います。ただ、それは決して悪いことではなく、会社の経営に対して『こうあるべきではないか』という疑問を持ちながら、現職ではそれを解決できないと感じ、『診断士になって見返してやる』という気持ちや、強い意志から始める方も少なくないと思います。実際、私自身もそうでした。
しかし、診断士の勉強を進めていく中で、そうした思いが確かに出発点ではあったものの、それが次第に『こうすればもっと良くなるのではないか』というプラスのエネルギーに変わっていったと感じています。そして、そのプラスのエネルギーを活かし、今度は支援する中小企業の皆様に対して、それぞれの専門性を持ちながら、俯瞰した第三者の視点でサポートしていくことができる。それが中小企業診断士の本質なのだと、今の私は考えています。
ー最後に、このインタビューをご覧になっている方へメッセージをお願いします。
友武:私の強みはエネルギー業界出身であることですので、脱炭素やBCP関連の取り組みには積極的に関わっていかなければならないと考えています。現在、環境変化により、多くの企業が対応を迫られ、取り組まざるを得ない状況にあります。しかし、この環境変化を脅威としてではなく、むしろ機会として捉え、推進力に変えることでビジネスモデルを変革していくことが重要だと考えます。これが、いわゆるGXやDXの一環でもあります。
私は、脱炭素をきっかけに企業の課題を多角的に捉える総合経営診断を実施していきたいと考えております。もし、脱炭素に関してお困りの企業様がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にご相談ください。よろしくお願いいたします。