
Noteboook LMの音声要約機能がもたらす革新
近年、AIによる情報処理技術が急速に進化するなかで、いま特に注目されているのがGoogleの「NotebookLM(ノートLM)」です。Googleが開発した生成AIツールで、テキスト情報を自動で要約・解釈するだけでなく、その内容を音声でわかりやすく解説してくれるという、とても先進的な機能を備えています。
今回紹介する「音声概要機能」は、読み込ませた情報をまるでラジオ番組のようなスタイルで解説してくれるという点で、これまでのAI要約とは大きく異なっています。単なる読み上げではなく、男女の登場人物が対話形式で進行する構成になっており、聞き手を飽きさせない工夫が凝らされています。
この音声スタイルは、情報の「理解しやすさ」と「聞きやすさ」の両立に非常に優れており、通勤中や作業中など、手が離せない場面でも耳から知識を吸収できるのが最大の魅力です。まさに“耳で学ぶ”という新しい情報インプット体験を可能にする、革新的なAIツールです。
実際に使ってみた!ノートLMの操作手順と実力
Notebook LMの操作は非常にシンプルで、AIツールに不慣れな方でも問題なく扱うことができます。まずはGoogleで「NotebookLM」と検索し、表示された公式ページにアクセスします。そこで「新規ノートを作成」を選び、入力エリアにWebサイトのURLやPDFファイル、音声ファイルなどをアップロードすれば、自動的に内容を読み取ってくれます。

試しに、私のブログ記事の中から、1万5,000文字以上ある長文記事を読み込ませてみました。生成に5分ほど経過した後、びっくりするくらい的確な音声要約が完成しました。内容はただの要点の抽出ではなく、背景の意図や文脈までしっかり拾い上げた形で再構成されており、AIとは思えないとても自然な仕上がりでした。
生成された音声ファイルは約7分ほどで、内容のボリューム感としても通勤時間やスキマ時間に聞くのにちょうどよい長さです。こういった活用法は、忙しいビジネスパーソンにとって非常に実用的ですし、社内研修やクライアント向けプレゼン準備にも応用できるでしょう。
ポッドキャスト形式がもたらす「耳で学ぶ」体験
音声概要の特筆すべき点は、その構成にあります。単なるAIによる読み上げではなく、女性のMCと男性の専門家が掛け合う形式で進行する、いわば“対話型ポッドキャスト”のような形式で出力されるのです。これにより、情報の伝わり方が非常にスムーズかつ親しみやすくなっています。

たとえば「自律型人材とは何か?」といったテーマについて、MCが問いかけ、それに対して専門家が丁寧に噛み砕いて説明するという構造になっており、聞いているだけで自然と内容が頭に入ってきます。このインタラクティブなスタイルは、特に教育・研修コンテンツやセミナー素材としての価値が非常に高いと感じます。
また、長文のビジネス資料を読む時間がなかなか取れない場合や、難解な専門用語が多い資料に対しても、このような対話形式での音声解説はとても有効です。情報の核心をつかみやすくなり、理解が格段に深まります。まさに“学習しながら楽しめる”という、新しい時代の情報収集スタイルと言えるでしょう。
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自分のコンテンツもAIで再編集!可能性は無限大
Notebook LMの魅力は、外部のコンテンツだけでなく、自分自身が作成したブログやYouTube動画も音声解説の素材として使える点です。実際に私が過去にアップしたYouTube動画「経営コンサルタントを10年やって思うこと」を使って試したところ、AIはその動画の内容を見事にまとめ上げ、7分弱の音声解説として出力してくれました。
その再構成力には本当に驚きです。自分で話した内容にもかかわらず、AIのフィルターを通すことで、より要点が明確になり、第三者にも伝わりやすい形に生まれ変わっていました。まるでプロの編集者が原稿をリライトしてくれたかのような完成度に仕上がっていたのです。
今後は、異なるジャンルやテーマの記事・資料を複数混ぜて読み込ませたらどうなるのか、という実験にも挑戦してみたいと考えています。NotebookLMは最大50件までソースを統合できるため、複雑な情報の統合分析にも対応できる可能性があり、マーケティング資料や社内ナレッジ管理への応用も視野に入っています。
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Notebook LMで情報活用の未来が変わる
Notebook LMは、情報過多の現代において「いかに効率よく要点をつかむか」という課題に実用的な解決策となってくれるAIツールです。特に、複数の情報源を集約して要約し、それを音声として聞きやすく提供してくれるという機能は、従来のテキスト中心の情報処理とは明らかに違う価値を得られると言え得るでしょう。
私自身、現在はYouTubeの動画を週に2本収録し、それをライターがブログ化し、マーケターが自動で投稿するという運用体制を構築していますが、ここにNotebook LMを加えることで、さらにコンテンツの多層展開と品質の向上が期待できると感じています。
テキストを読む時間がない、複雑な資料の全体像を手早くつかみたい、そんなニーズに応えるNotebook LMの音声概要機能。ぜひ一度体験してみて、その“クオリティの高さ”と“使いやすさ”を実感してみてください。
(執筆:小松 茂樹)