8月の青年部会ではメンバーへのインタビューを実施しました。
記念すべき第1回は村上さんです。インタビュアーは副会長の小松さんにお願いしました。
会員同士の交流や新たな気づきになったので、良い取り組みでした。
いかがインタビュー内容です。
地元のホームセンターから全国チェーンへ転職し、店舗責任者へ
ー 現在は主にどのような仕事をされていますか?
村上:公的機関の仕事が多いです。
ー 得意分野は?
村上;小売業の店舗管理です。前職ではホームセンターの店舗管理を10数年行っていました。モノだけでなく、ヒトを含めた総合的な管理です。
ー 前職では、具体的にどのような経験を?
村上:従業員数がおよそ70〜80の店舗の管理をしていました。いろいろな方がいるので、組織として統一していくにあたり、教育やコミュニケーションを重視していました。1on1ミーティングで従業員の話、意見を聞くことには特に注力しました。
ー学校を卒業されてから、すぐにその会社に就職を?
いいえ。学校を卒業した後、まずは地元の愛媛で父が経営する設計会社を社員として手伝っていました。その後、地元のホームセンターに転職して4年ほど勤務しましたが、四国内にのみ展開する会社で、店舗数も少なかったため、次第に「もっと大勢のお客様がお越しになる、大規模な店に挑戦したい」という気持ちが芽生えてきました。
ー それで転職を?
はい。関西に移り、全国で約60店舗を展開する別のホームセンターに転職して、8年間勤務しました。最終的には、その会社で店舗の管理者をしていました。
ー 関西に移って、まずはどこに配属に?
神戸市の伊川谷という地域の店舗です。そこで、前職で得た知識も活かして、工具や資材の担当をしていました。
ー転職して、どのような印象を受けましたか?
村上:会社として整備されていることに驚きました。マニュアルが細かに整備されていて、昇給などの人事制度も整っていました。「これが都会なのか」という印象です(笑)
ーその後どのようなキャリアを歩まれたのですか?
村上:そこから2店舗の異動をしました。会社自体が伸びていたので、キャリアアップを進めていける環境でしたね。新店舗に配属されて、新店を立ち上げるノウハウも学べました。入社5年くらい経ったところで、副店長として店舗の管理をするようにもなりました。
マネジメントで重要なことは「従業員との信頼関係」
ー担当者から店長になって、どのような点が変わりましたか?
村上:規模の大きい会社なので、コンプライアンスには厳しかったですね。今で言うところのハラスメントもそうですが、消防法など細かなところにも気を配っていました。
ー店舗管理者として大変だったことは?
村上:全社で60店舗くらいあり、全店舗の従業員満足度を点数として見える化していました。私が配属されたのが点数の低い店舗だったので、その改善に取り組みました。広い店舗で従業員が70〜80人程度、そのうち社員が5〜6人程度。立て直しをするために、まずは社員をしっかり教育しなければと思い、コミュニケーションをとっていきました。
ーどのように社員とのコミュニケーションを深めたのですか?
村上:会社の中で1on1のしくみが導入されていたので、月に1回実施していました。社員を教育して、そこから非正規の従業員を教育していけるような流れを作っていました。
ー一般的には、1on1はしばらく実施すると形骸化するという話も耳にしますが、うまく継続していけたのですか?
村上:実はそうなりかけていた節もありました(笑)1on1って、従業員の方から話してもらうスタンスですよね。上司の方から話しすぎると指導になり、趣旨が変わってしまう。普段から、話をしてもらったり、悩みを発してもらったりするような環境づくりはすごく考えていました。やはり信頼関係が大切ですよね。
ー従業員との信頼関係を作る上で重要なことは?
村上:店舗の管理者って結構2つのパターンに分かれると思います。1つは、管理だけする人。事務所にこもって書類やデータばかり見ているようなタイプ。もう1つが、そうした管理もやりつつ、売り場に出てお客様と実際に接することもするタイプですね。
ープレイングマネジャーですね。
村上:はい。やはり実際に売り場に出ることで、お客様の様子も見れるし、従業員がどのようにお客様に接しているかも観察できる。そこが見えないと、管理は数字管理だけになってしまい、現場との乖離が生まれてきてしまいます。
ー自分も現場に出ることで、「同じフィールドにいる」感じになりますよね。
村上:それがとても重要なことだと思います。例えば、レジが混雑した時にレジのフォローに入ったりすると、「店長がフォローしてくれた」という印象づけができますよね。
ーマネジメントで最も重要なことは?
村上:私の経験からすれば、「人の話を聞くこと」ではないでしょうかね。相手に寄り添って話を聞くことが信頼関係の構築において重要です。
ー その経験を、どのように中小企業診断士の活動に活かしていきますか?
村上:経営支援を行うにあたり、経営者の話をしっかり聞いて、適切な改善につなげていきたいですね。公的機関の仕事で企業に訪問して経営者の話を伺うことがありますが、経営状況を聞く際にも時間をかけて、相手に寄り添って話を聞くことで、悩みを引き出せるように注力しています。
退路を絶って、中小企業診断士として独立
ーどうして中小企業診断士になろうと思ったのですか?
村上:前職では昇格するために資格がいろいろ必要だったんです。衛生管理者などの業務上必要となる資格です。尊敬している上司からも「資格を取った方が良い」という話をされていて、いろいろな資格に挑戦していたのですが、そうした過程の中で中小企業診断士という資格に出会いました。今後、管理や経営を目指していくのであれば、経営についても学んでおいた方が良いだろうなと思ったのが、きっかけです。
ーよく、こんな7科目も膨大に試験範囲がある資格に挑もうと思いましたね(笑)?
村上:そうですね(笑)。でも、企業経営にはすごく興味があったので、そこまで苦ではなかったですね。
ーそれで試験に合格して、独立を?
村上:養成課程の出身なので、二次試験の受験はありませんでした。昨年(2023年)の9月に退職して、10月から今年(2024年)の3月まで日本生産性本部の養成課程に通っていました。
ー先に退職したんですか(驚)?
村上:養成過程は朝から晩まであるので、仕事しながらでは絶対に不可能なんです。なので、退職してから通学をはじめました。
ーかなり博打のように見えますが(驚)?
村上:そうですね。はい。結構やばいですね(笑)
ーそこまでしようと思うほど、中小企業診断士に魅力があったのですか?
村上:何かを始めたかった。0から1にしたいという思いがありまりました。
ーこの道を選んで後悔はないですか?
村上:全然ないですね。いま楽しいです。家族も応援してくれましたので、そこが1番ありがたかったです。
ー最初、会社を辞めると言った時、奥様はなんて言いました?
村上:「あなたは決めたことを絶対にやるから。何も言わない」と。
ーできた奥様ですね(笑)
村上:そうですね(笑)
経営者に寄り添い、信頼関係を築きながら、地域の活性化を目指す
ー中小企業診断士の活動を通じて、どんな方々にどんな貢献をしていきたいですか?
村上:私は地元が愛媛で、結構な田舎育ちなんです。なので、地域を活性化したいという思いが強くあります。もちろん田舎だけではありませんが、中小企業って日本の99.8%もあるので、すごく困ってる人も困ってる企業も多いと思います。そうした方々に寄り添いながら、一緒に私も学ばせていただくこともありますし、共に「地域活性化」を目指していきたいという思いです。
ーその先に、どのようなビジョンを描いていますか?
村上:私が一番なりたいと思っているのが「信頼がある診断士」です。我々の仕事というのは、やはり信頼があってこそいただけるものだと思います。どんな人物なのかが見えてこないと仕事にも繋がらないですし、やはり信頼ありきですね。
ー人から信頼を得るためには、何が必要だと思いますか?
村上:小さなことを1つひとつ積み上げていくことですよね。後は、話を聞くこと。そして、話を聞いた上で、こちらからしっかり言わなければならない場面では、いうべきことをしっかりと言う。話を聞くだけではなくて、お互いに聞き合える対等な関係であることが重要ですね。こちらから提案することもありますので。
ー信頼の他に、大事にしている価値観はありますか?
村上:もう1つ挙げるとしたら、レスポンスを素早くすることですかね。これも信頼に繋がることではありますが、やはりお客様ありきですし、レスポンスが悪いと良い関係は築けないですよね。中小企業診断士、コンサルタントも対顧客サービスですので、小さいことの積み上げで信頼関係を築くことが重要だと思います。
ー他に、ご自身の軸にしていることはありますか?
村上:学び続けることですね。いま世の中の変動が激しいので、やはり我々コンサルタントも時代についていくためには学び続けていく、情報を収集していくことが必要だと思います。
ー最後に、この対談をご覧になっている方へメッセージをお願いします。
村上:これから中小企業診断士として、地域を活性化するという大きなビジョン、目標を掲げて、事業を展開していきたいと思っています。経営者の方に寄り添い、信頼関係を築きながら、経営改善のご支援をさせていただきたいと思います。何かしら状況を改善したいとお考えの経営者の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。