【最新AIモデル徹底比較】ChatGPT、Gemini、Claudeの使い分けガイド

目次

AI業界で続くイタチごっこ、どのモデルを選ぶべきか

今回は、Google社の最新AIモデルであるGemini 3について解説しようと準備を進めていました。ちなみに、このAIの呼び方については「ジェミニ」か「ジェミナイ」かという論争があるようです。公式な名称は「ジェミニ」なのですが、実際にはアメリカの西海岸で海外の人たちは「ジェミナイ」と呼ぶらしいのです。「ジェミナイ」と呼ぶことによって、ちょっと「オレ分かっている」感を出すマウントが取れるかもということを、参議院議員の安野貴博氏がおっしゃっていました(笑)

さて、このGemini 3は性能がすごいと評判で、特に大量のトークンを使えたり、画像生成機能のNano Banana Proがすごいなど、色々な特徴がありました。そこで、このGemini 3と対話をしながら、何がすごいのかを教えてもらおうと色々と問答をして、スライドまで作成しました。しかも、このGeminiで作ったスライドは、スライド生成で評価の高いGensparkで作ったのではないかと思うほどの高品質で、このスライドを使って存分にGeminiの話をしようと思っていたのです。

ところが、それからたった数日後。この記事の準備をしている最中に登場してしまったのです。Anthropic社の最新AI Claude Opus 4.5!

「なんだ!またやり直しか!」と思いました。結局のところ、ずっとイタチごっこが続いていて、「最新モデルがすごい」と言ったその数日、数週間後には、また別のモデルが登場して塗り替えられる、、、といったことの繰り返しが、この2年ぐらいずっと続いているわけです。ChatGPTも地味に5.1にバージョンアップしていて、「結局のところ、どれを使ったら良いのか?」という話になるわけです。

ChatGPT 5.1、Gemini 3 、Claude Opus4.5が、それぞれ何に長けていて、何ができないのかということを一回整理した方がいいだろうと思いました。そこで、貴重なDeepRearch枠を1つ使って、ガッツリと調査をしてみましたので、今回の本題は、この「主要AIモデルの使い分け」というテーマでお話しいたします。

各AIモデルの強みと特徴

まず、おおまかな結論からお伝えします。

Gemini 3のスゴイところは、「非常に難しい問題が解ける」ということです。私たちが日頃使うことはないであろう、高度な数式や科学式を用いるような推論に関しては、今のところGemini 3が最強のようです。

また、Gemini 3の特徴の1つは、読み込めるトークン(情報)の量です。1回のチャットのやり取りで扱えるトークンの量はなんと100万トークンにも達するとのことです。日本語においてはほぼ「1文字=1トークン」と考えて良いので、100万文字を読み込めることになります。私の書籍10冊分に相当します(笑)

ページ数の多いPDFファイルなどをいくつも読み込ませて要約や編集をするなど、大量の情報を取り扱う作業は、今のところGeminiを使用するのが良さそうです。ただし、これは回答を生成するために与える情報の量なので、生成する回答のトークン量はあまり多くない印象です。

私が試した範囲では、回答生成の文字数が多い、つまり最も長文を書けるのはClaudeのようです。Opusはもちろん、1つ下のレベルであるSonnet4.5でも、かなり長文の回答を作成してくれます。読み込みに関しても、20万トークンまでできるようなので、一般的な使い方では十分すぎる性能です。したがって、長文を読み込ませるのも、書いてもらうのも、Claudeを頼りにした方が良さそうです。

すると、ChatGPTは何が良いのかという話になります。私の考えとしては、「迷ったらChatGPT」です。GeminiClaudeの特徴を述べてきましたが、決してChatGPTの性能が悪いわけではありません。やはり生成AIを一気に普及させたパイオニアですし、この2年間の進化を牽引してきた存在です。何より、圧倒的に知名度があるので、他者に利用を勧めたり、使い方を教える上では、導入としてChatGPTを使用することが現実的に多くなります。なんだかんだ言って、ChatGPTの進化の動向には注視せざるを得ません。

どのAIモデルに課金しようかと迷われる方は、「迷ったらChatGPT」です。私も、ChatGPTには課金していますし、これからも続けていく予定です。この領域のパイオニアですし、周囲に影響を与える圧倒的に知名度のあるサービスです。目的によってGeminiClaudeを多用することが増えてきましたが、それでもやはり日常利用はChatGPTです。

また、生成AIへの課金は最低限にしたいという方にとっては、以前にご紹介したMonicaや、Gensparkなど複数のAIを選択できるサービスを利用するのも有効です。チャット履歴を一元的に管理する点においても、こうしたサービスを利用するのはとても有用だと考えます。

ChatGPTの特徴

ChatGPTの良い点は「バランスの良さ」とされています。実際、こうした生成AIの比較サイトや解説動画をいろいろ見ても、多くの方がChatGPTを「バランスが良い」と評価しています。やはり、「迷ったらChatGPT」です。

「日本語が自然である」と称されることもあるのですが、個人的にChatGPTの日本語文章はあまり良いとは思えない面もあります。とはいえ、これは好みの問題です。私個人としてはGeminiの文体が好みなのですが、いろいろなモデルを試しながら、自分に合ったものを選択されると良いと思います。

また、情報収集やリサーチにおいてはChatGPTは良いとされることがあります。特に、ChatGPT5になって以降はweb検索をするかしないかを、プロンプトから読み取って自動的に判断するようになり、利便性は高まりました。もちろん、検索エンジンと連動しているためGeminiの情報収集力も良いとされていますし、情報収集に特化したperplexityなどのAIもあるので、通常の使い方をする限りではChatGPTの情報収集性能が際立っているとまでは言い難いです。

ただし、有料ユーザーにとっては、大量の情報を収集して裏付けを取りながら分析・整理してくれるDeepResarchの機能は非常に便利です。加えて、csvファイルやExcelファイルなどの構造化データを読み込ませて、演算や集計をさせるならば、早い段階からData Analysis機能を搭載して強化してきたChatGPTはやはり強力なツールです。

エゴサしてみました。やはりweb上から大量の情報を収集して整理させる上では、DeepRearchはかなり使えます。

一方、PDFファイルやwebサイト、非構造化データを取りまとめる上では、GeminiをエンジンとするNotebookLMがとても優れています。読み込ませるデータや、出力したい形態によって、ChatGPTNotebookLMを使い分けるのが有効な使い方です。

弱みは、他のAIモデルと比べて取り扱えるトークン量が乏しいことです。読み込ませることのできるトークン量が少ないのもさることながら、出力するトークン量が少ない印象です。基本的に「省エネ」で作業をしているのではないかと感じるほど、生成される回答のボリュームが少ないように思います。気軽に使う分には「迷ったらChatGPT」で良いのですが、本格的な作業、長文を読んだり書いたりする作業では、別のモデルの方が良さそうです。

Geminiの特徴

Gemini 3 Proの高度な推論力が話題になっていますが、それを検証できるほどの理系リテラシーが私にないので、正直なところ「凄さがわからない」というのが本音です。他のサイトや解説動画を見ている限りでは、大学修士レベル、博士レベルの推論ができるとの声もあります。

また、Gemini 3からは、音声、画像、動画、PDFなど様々な形式のデータを読み込ませることのできる「マルチモーダル化」ができるようになった点が、利便性の大幅な向上につながったように思います。だからこそ、100万トークンもの大量データを読み込める性能の真価が発揮できるとも言えます。

また、画像生成ツールのNano Banana Proの性能が大きく進化したことも話題になっています。特に、ビジュアルと文字情報を複雑に組み合わせたインフォグラフィックを簡単なプロンプトで高品質に出力できるとのことで、試用の結果をSNSに投稿している様子をしばしば見かけます。

先ほどのDeepRearchエゴサをインフォグラフィックとして描いてもらいました。自画像が違いすぎるけど、だいたい合ってます。。。

また、Gemini 3を使用する際には、複雑な推論を行う「思考モード」と素早く回答を生成する「高速モード」を選択して切り替える必要があります。ChatGPTが5になって、このエンジン切替をプロンプトを読み取って自動で行ってくれるようになったことで、この切替は少々煩わしいと感じる側面もあります。そういう意味では、とにかくカンタンに操作したい方にとってはChatGPTは良い選択肢かもしれません。

Claudeの圧倒的な長文生成能力と実例

Claudeの強みはなんと言っても「長文生成能力」です。同じ作業をChatGPT、GeminiClaudeに指示して、生成された結果を見比べてみた結果、圧倒的にClaudeがボリュームの多い文書を生成してくれました。

検証で行った作業は下記の通りです。

  1. YouTubeの動画から文字起こしデータを取得する
  2. 文字起こしデータを元にして、ブログ記事の原稿を作成を指示する

まずGeminiで試してみたところ、2,462文字の原稿が生成されました。目を通してみたところ、かなり要約しすぎていて、私が動画で伝えたかったことが所々抜け落ちている上、私が話した覚えのないことも文章に含まれていました。

ChatGPTの出来は最も悪く、生成された文章はわずか1,871文字でした。一段落あたりの文章がとても短く、淡白で、読み物としてあまり面白いとは思えないようなものが出来上がりました。やはりChatGPTは「省エネ」で動く模様で、こうした長文生成には向かないことが確認できます。

そして、最後にClaudeで検証。なんと7.962文字の原稿が生成されました。そして、それ以上に嬉しいのが、変に要約したりせず、元動画の内容をかなり忠実に読みやすい文章に書き換えています。冒頭の「こんにちは。小松茂樹です。」から始まり、ほぼ話している通りに文章にしてくれているのです。これで確信です。私の中では「数千文字の長文を書かせるならClaude一択」です。

また、Claudeはプログラミング(コーディング)に強いという定評があります。Anthropic社は、Claudeが4にバージョンアップした時に、ChatGPTとの正面衝突を避けて、単純なLLM(自然言語処理の大規模言語モデル)の性能競争からは降りる旨を発表したそうです。その代わり、コード生成の品質を上げ、API連携(他のアプリケーションとの接続)などの強化も図って、プログラミング領域で際立った存在になりつつあります。

ChatGPTの有料ユーザーが個人中心であることに比べて、Claudeは法人ユーザーも多く、収益も好調のようです。プログラミング領域をはじめ、業務利用目的に焦点を当てて、「玄人向けAI」として立ち位置を確立していくことが予想されます。

まとめ

以上、今回は2025年12月上旬時点における、ChatGPTGeminiClaudeの性能比較について、私が実際に検証してみた結果をお話ししました。

結論としては、

  • 高度な推論、大量データの読み込み、情報検索、画像生成ならGemini
  • 長文生成やプログラミングならClaude
  • 迷ったらChatGPT

です。とはいえ、いずれも優れたモデルですし、日本語の文体なども含めてそれぞれに個性があります。よほど専門的な使い方をしない限り、性能差を露骨に感じるほどではないので、結局のところは「好み」で構わないと思います。自分が好きなAIを選んで使っていきましょう。

また、いずれのモデルも、今後もバージョンアップを繰り返して、追いつき、追い越されというイタチごっこを続けていくことでしょう。継続的に情報を取り続け、AIの進化を注視していきましょう。

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

執筆者

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小松 茂樹(こまつ しげき) 人材派遣会社、健康食品会社を経て、経営コンサルティング会社に勤務。2021年に独立し、株式会社ビジネスキャリア・コンサルティングを設立。理論的な背景と情熱的な語り口を交えた講演スタイルに定評があり、セミナーや研修で高い支持を得ている。リーダー人材や自律型人材の育成を主として活動する。
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